一般的には、遺言書が作成されているかどうかを調べることは可能です。ただし、自筆証書遺言と公正証書遺言で、調べる方法が異なります。
自筆証書遺言の場合、亡くなった方のご自宅、取引のあった銀行の貸金庫の確認、相続人や親しかった人に確認するなどの方法で調べることが一般的です。また、公正証書遺言の場合は平成元年(1989年)以降に作成されたものであれば、全国どこの公証役場でもその有無を検索してもらうことが可能です。
1.遺言書の有無を確認する必要性
相続の開始があった場合、まずは遺言書の有無を確認することが重要です。なぜなら、遺言書がある場合は、被相続人の遺産は原則として遺言書の内容にしたがって分けることになるからです。
2.遺言書の種類
そして遺言書には、主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
自筆証書遺言とは、遺言者が遺言内容の全文を自書し、押印する方法によって作成された遺言書のことをいいます。公正証書遺言とは、公証人が証人2名の立会いのもと、遺言者の面前で作成する遺言書のことをいいます。
3.自筆証書遺言の有無を調べる方法
自筆証書遺言の場合、亡くなった方のご自宅、取引のあった銀行の貸金庫の確認、相続人や親しかった人に確認するなどの方法で、その有無を調べます。
ただし、自筆証書遺言の場合は、仮に遺言が存在していたとしても、発見されなければ、結果的に存在していないのと同じことになってしまいます。
4.公正証書遺言の有無を調べる方法
公正証書遺言の場合は、平成元年(1989年)以降に作成されたものであれば、全国どこの公証役場でも、その有無を検索してもらうことが可能です。したがって、公正証書遺言の場合は、作成さえしていれば、発見されないリスクはないと考えられます。
なお、秘密保持のため、公正証書遺言の有無を調べることができるのは、被相続人の相続人等利害関係人のみとなり、公証役場に検索を依頼する際には、利害関係を証する戸籍謄本等が必要となります。