遺留分算定の基礎となる財産の評価は、相続開始時(被相続人の死亡時)を基準とします。
相続開始時の財産は、その時点での評価となりますが、生前贈与については、贈与された財産(不動産、株式、金銭等)を相続開始時の価値に引き直して算出します。
例えば、不動産を生前贈与した時点の不動産価格が1,000万円だったとしても、相続開始時に2,000万円になっていれば、遺留分算定の基礎となる財産の評価は2,000万円となります。
一方、生前贈与の時には2,000万円の価値があったとしても、相続開始時においては1,000万円の価値になっている場合、遺留分算定の基礎となる財産の評価は1,000万円となります。
また、金銭についても、生前贈与が行われた時点の金額を、相続開始時の貨幣価値に引き直して算出します。
参考条文
民法
(遺留分を算定するための財産の価額)
第千四十三条 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。
2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
第千四十四条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
2 第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。
3 相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。