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火葬許可、埋葬許可とはどのような手続ですか

火葬許可、埋葬許可とはどのような手続ですか?

火葬許可とは、遺体を葬るために焼くことについて、市町村長が許可することをいいます。また、埋葬許可とは、遺体を土中に葬ることについて、市町村長が許可することをいいます。これらの手続は、通常死亡届の提出と同時に行われます。遺体を火葬するためには、火葬許可を得る必要があり、火葬場に火葬許可証を提出しないと、火葬を受けることができません。
なお、遺体を火葬した後の焼骨をお墓等に納骨する行為は、埋葬にはあたらないため、埋葬許可を得る必要はありませんが、火葬許可証を提出する必要があります。

1.火葬許可、埋葬許可とは

火葬とは、死体を葬るために、これを焼くことをいいます(墓地、埋葬等に関する法律22項)。

また、埋葬とは、死体を土中に葬ることをいいます。死体には、妊娠4か月以上の死胎を含みます(同法21項)。

火葬、埋葬を行おうとする場合、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。)の許可を受けなければなりません(同法51項)。火葬許可証がなければ火葬することができず、埋葬許可証がなければ埋葬することができません。

もっとも、火葬した後の焼骨をお墓等に納骨する行為は埋葬にはあたりませんので、埋葬許可を得る必要はありませんが、火葬許可証を提出する必要があります(同法14条)。

以下では、火葬許可申請の手続について解説します。

2.火葬許可申請の提出先、受付時間

火葬許可申請は、通常死亡届と同時に、死亡届を提出した役所に対して行います。受付日・受付時間は、通常24時間365日受付をしてもらえます。

ただし、夜間や休日は時間外窓口での対応となり、役所の専門の職員が不在のため、手続に時間がかかったり間違いが生じる場合もあります。そのため、急ぎでなければ役所の開庁時間内に提出をすることが望ましいでしょう。

なお、火葬は、原則として死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならないとされています(同法3条)。

3.火葬許可申請の届出人

火葬許可申請は、通常死亡届と同時に行うものであるため、死亡届の届出人が行います。

4.火葬許可申請にかかる費用

火葬許可申請にかかる費用(手数料)はありません。ただし、火葬許可証を紛失して再発行してもらう場合には、所定の手数料がかかる場合があります。

5.火葬許可証の記載事項

火葬許可証には、一般的には次のような事項が記載されています。

  • 死亡者の本籍
  • 死亡者の住所
  • 死亡者の氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 死因
  • 死亡年月日時
  • 死亡の場所
  • 火葬の場所
  • 申請者の住所
  • 申請者の氏名、死亡者との続柄

6.必要書類等

火葬許可申請に必要な書類は、火葬許可申請書です。ただし、市町村によっては死亡届の提出が火葬許可申請も兼ねている場合もあるため、その場合は火葬許可申請の手続は不要です。

その他、身分証と認印も念のため持参したほうがよいでしょう。

7.実際の流れ(病院で死亡した場合)

死亡してから納骨するまでの流れ(病院で死亡した場合)は、以下のとおりです。

なお、実際は、病院で死亡し、葬儀会社に葬儀を依頼した場合は、死亡届の提出や火葬許可申請を葬儀会社が代行(使者として役所に提出)してくれることが多いです。

①病院の医師から死亡診断書の交付を受ける
②死亡届の部分に死亡者の氏名等を記入し、届出者の押印をする

※この際、保険の手続等に備え、コピーを5通程度取得しておくとよいでしょう

③死亡届・死亡診断書を役所に提出する

※この際、届出者の認印も持参しましょう

※火葬許可申請もこのときに行います。死亡届の届出をすることによって火葬許可証が発行される役所もあります。火葬許可証には、火葬の場所が記載されるため、火葬の場所(斎場名)と火葬時間を予め確認しておきましょう。

④火葬許可証を受領する

※火葬許可証がないと、火葬できません

⑤火葬許可証を提出の上、お寺等への納骨を行う

※火葬許可証がないと、納骨できません(同法14条)

参考条文

墓地、埋葬等に関する法律

第二条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

2 この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。

3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。

4 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。

6 この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。

7 この法律で「火葬場」とは、火葬を行うために、火葬場として都道府県知事の許可をうけた施設をいう。

第五条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。

2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。

第十四条 墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

2 納骨堂の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない。

3 火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。

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