相続税には、連帯納付義務があります。
したがって、相続税が課税されるケースで、一部の相続人又は受遺者が相続税を支払わないときは、他の相続人がこれを支払う必要があります。
1.相続税の連帯納付義務
同一の被相続人から相続又は遺贈によって財産を取得した全ての者は、当該相続等にかかる相続税について、その受けた利益を限度として、互いに連帯して相続税を納付する必要があります(相続税法34条1項)。
これを相続税の連帯納付義務といいます。
2.連帯納付義務を負う者
相続税の連帯納付義務を負うのは、被相続人から相続や遺贈によって財産を取得した者です。財産を取得していれば、相続人でない者(遺贈によって財産を取得した者)も含まれます。
なお、相続放棄をした者は、初めから相続人ではなかったものとして扱われるため、連帯納付義務を負いません。
3.連帯納付義務の範囲
仮に連帯納付義務によって他の相続人や受遺者の相続税を負担することになった場合でも、納付義務を負う範囲は、被相続人からの相続又は遺贈によって受けた利益の範囲となります。
参考条文
相続税法
(連帯納付の義務等)
第三十四条 同一の被相続人から相続又は遺贈(第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産に係る贈与を含む。以下この項及び次項において同じ。)により財産を取得した全ての者は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。ただし、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める相続税については、この限りでない。
(以下省略)