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回答
土地や建物を相続した場合、法務局において相続登記を行う必要があります。
相続登記は、法務局に登録されている不動産の名義を、被相続人から相続によって取得した方に変更する手続きです。取得原因等により、必要な書類等が異なりますので、事前に司法書士等に相談するとよいでしょう。
解説
1.不動産を相続したときは、相続登記を行う必要がある
土地や建物を相続したときは、相続登記を行う必要があります。相続登記とは、簡単に言うと不動産の名義を亡くなった方から相続した方に変更する手続きのことです。
相続登記は、現時点では義務ではありませんが、令和6年4月1日から義務化され、過去の相続についても適用があります。したがって、相続登記未了の不動産がある場合は、今から手続きを行っておくほうがよいでしょう。
※令和3年4月21日「民法等の一部を改正する法律」(民法等一部改正法、令和3年法律第24号)及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(相続土地国庫帰属法、令和3年法律第25号)
2.相続登記の方法
相続登記の方法は、管轄の法務局で登記手続きを行うという点では同じですが、不動産を取得した原因等により、必要な書面が変わります。
2-1.法定相続割合で相続登記をする場合
法定相続割合は、民法で定められています。詳しくは「民法の定める相続割合はどうなっていますか」をご参照ください。
法定相続割合のまま相続登記を行う場合に必要な書類は、以下のとおりです。なお、法定相続割合で登記するときは、相続人のうち一人から全員の申請を行うことができます(保存行為)。
ただし、その場合、申請人となった相続人以外の相続人について、登記識別情報(いわゆる「権利書」)は発行されないため、その点は注意が必要です。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人全員の現在戸籍、相続人全員の住民票等
2-2.遺産分割協議書に基づいて相続登記を行う場合
遺産分割協議書に基づいて相続登記を行う場合、一般的には以下の書類が必要となります。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人全員の現在戸籍、遺産分割協議書、遺産分割協議により不動産を取得する相続人全員の印鑑証明書・住民票等
2-3.遺言に基づいて相続登記を行う場合
遺言書には、主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続きを経た後の遺言書又は法務局の自筆証書遺言保管制度を利用した遺言書でないと、相続登記には使用できません。
公正証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続きを経ることなく相続登記に使用することができます。
遺言書に基づいて相続登記を行う場合の必要書類は、以下のとおりです。
・遺言書、被相続人が死亡したことを証する戸籍、遺言により不動産を取得する方の戸籍や住民票等