遺産分割調停がまとまらずに不成立となった場合、何らの手続きも要せず、当然に審判手続に移行します。審判手続においては、家事審判官(裁判官)が期日における当事者の主張書面や証拠資料から事実関係を整理し、遺産を分割します。
1.遺産分割調停から遺産分割審判に移行する流れ
遺産分割調停で話し合いがまとまらず、不成立となった場合、当然に遺産分割審判手続に移行します。そのため、新たに遺産分割審判の申立てを行う必要はありません。
2.遺産分割審判の手続き
遺産分割審判においては、期日に当事者が出席し、それぞれ主張書面や証拠資料の提出を行います。
期日は通常月に1回程度開かれ、当事者の主張や審判官(裁判官)の心証形成が十分行われた後、審判となります。
3.遺産分割調停と遺産分割審判の違い
遺産分割調停は、家事審判官(裁判官)と調停委員が間に入り、当事者間の調整や解決案の提示をする等の方法で、話し合いによる柔軟な解決を図る手続きです。納得しない相続人がいる場合、調整は不成立となります。
一方、遺産分割審判は、当事者から提出された証拠に基づいて、家事審判官(裁判官)が遺産を分割する手続きです。審判の内容に納得しない相続人がいたとしても、即時抗告期間が経過すれば審判は確定し、その内容を争うことはできなくなります。
4.審判後の手続き
遺産分割調停が成立すれば、調停調書が作成されます。調停調書は、預金や不動産の名義変更等の相続手続に使用することができます。また、遺産分割審判がなされ、確定すれば、審判書に基づいて同様に相続手続を行うことができます。