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遺産分割調停とは?管轄と申立書の記載例

自分でできる遺産分割調停|遺産分割・遺留分に強い相続の弁護士無料相談 - 名古屋市・愛知県
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所の遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)という手続を利用することができます。
遺産分割調停とは、簡単に言うと裁判所を介した遺産分割の話し合いの手続です。
以下では、遺産分割調停とはどんな手続なのか、必要な書類や費用、手続の流れなどについて、名古屋の弁護士法人中部法律事務所の弁護士が解説します。

1.遺産分割調停とは

遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)とは、被相続人(亡くなった人)の遺産分割協議がまとまらない場合に利用できる、家庭裁判所の手続です。

 調停手続においては、裁判官や調停委員が当事者の間に入って、双方の言い分を聞いたり、関係資料や事情を踏まえて解決案を提示するなど、遺産分割の話し合いがまとまるよう調整を行います。

2.遺産分割調停を申し立てることができる人

遺産分割調停を申し立てることができるのは、次の者です。申立は、共同相続人の一人又は複数名から、他の相続人全員を相手方として行う必要があります。

  • 共同相続人
  • 包括受遺者
  • 相続分の譲受人

3.遺産分割調停の管轄、申立先の裁判所

遺産分割調停は、相手方となる共同相続人等の住所地(相手方が複数いる場合は、そのうちの誰か一人の住所地を選択しても構いません)、又は、調停の当事者となる者が合意で定めた家庭裁判所に対して申し立てます。

 東海3県の家庭裁判所の管轄は、以下のとおりです。

◆愛知県

相手方の住所

管轄裁判所

愛知県

名古屋市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、西春日井郡(豊山町)、愛知郡(東郷町)、春日井市、小牧市、瀬戸市、尾張旭市、長久手市、津島市、愛西市、弥富市、あま市、海部郡(大治町 蟹江町 飛島村)

名古屋家庭裁判所

半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)

名古屋家庭裁判所半田支部

一宮市、稲沢市、犬山市、江南市、岩倉市、丹羽郡(大口町 扶桑町)

名古屋家庭裁判所一宮支部

岡崎市、額田郡(幸田町)、安城市、碧南市、刈谷市、西尾市、知立市、高浜市、豊田市、みよし市

名古屋家庭裁判所岡崎支部

豊橋市、豊川市、蒲郡市、田原市、新城市、北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)

名古屋家庭裁判所豊橋支部

 

◆三重県

相手方の住所

管轄裁判所

三重県

津市、亀山市、松阪市の内

嬉野地域振興局及び三雲地域振興局の各所管区域、鈴鹿市

津家庭裁判所

松阪市(嬉野地域振興局及び三雲地域振興局の各所管区域を除く。)、多気郡(多気町 明和町 大台町) 、度会郡の内大紀町

津家庭裁判所松阪支部

名張市、伊賀市

津家庭裁判所伊賀支部

伊勢市、鳥羽市、志摩市

度会郡の内

玉城町、度会町、南伊勢町

津家庭裁判所伊勢支部

熊野市、南牟婁郡(御浜町、紀宝町)、尾鷲市、北牟婁郡(紀北町)

津家庭裁判所熊野支部

四日市市、三重郡(菰野町 朝日町 川越町)、桑名市、いなべ市、桑名郡(木曽岬町)、員弁郡(東員町)

津家庭裁判所四日市支部

 

◆岐阜県

相手方の住所

管轄裁判所

岐阜県

岐阜市、関市、美濃市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市

下呂市の内

金山振興事務所の所管区域

羽島郡(岐南町 笠松町)、本巣郡(北方町)、郡上市

岐阜家庭裁判所

多治見市、瑞浪市、土岐市、中津川市、恵那市

岐阜家庭裁判所多治見支部

美濃加茂市、可児市、加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村)、可児郡(御嵩町)

岐阜家庭裁判所御嵩支部

大垣市、海津市、養老郡(養老町)、不破郡(垂井町 関ヶ原町)、安八郡(神戸町 輪之内町 安八町)、揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町)

岐阜家庭裁判所大垣支部

高山市、飛騨市、下呂市(金山振興事務所の所管区域を除く。)、大野郡(白川村)

岐阜家庭裁判所高山支部

4.遺産分割調停申立の必要書類

4-1.申立書

遺産分割調停を申し立てるには、申立書を家庭裁判所に提出する必要があります(家事事件手続法255条)。

 具体的には、申立書(裁判所用)1通と、相手方の人数分の申立書の写し(コピー)が必要です。例えば、相続人4名のうち、1名が申立人で相手方3名の場合、申立書1通とその写し3通を提出します。

 4-2.申立書の添付書類

①被相続人の出生から死亡までがつながるすべての戸籍謄本

②相続人全員の戸籍謄本

③被相続人の子で死亡している者がいる場合、その子について、出生から死亡までつながるすべての戸籍謄本(子に代襲相続人がいる場合で、当該代襲相続人も死亡している場合は、当該代襲相続人の出生から死亡までつながる戸籍謄本も必要です)

④相続人全員の住民票又は戸籍の附票

⑤遺産に関する証明資料(例えば、不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書、通帳の写し又は残高証明書、株券、有価証券の写し等)

※上記の他、事案に応じて追加で戸籍や書類が必要となる場合があります。

5.遺産分割調停申立の費用

遺産分割調停の申立に必要な費用は、被相続人1名あたり収入印紙1200円です。また、裁判所と申立人及び相手方との連絡用の郵便切手も予め予納します。

予納する郵便切手の金額や種類は、申立先の裁判所のHPに記載があればそれに従い、記載がなければ裁判所に電話で確認するとよいでしょう。

6.遺産分割調停の流れ

遺産分割調停の流れは、概ね以下のとおりです。弁護士に依頼してもしなくても、基本的な流れは同じです。弁護士に依頼した場合は、必要な事前調査や申立書の作成、自己に有利となる主張書面等の作成、調停期日への同行や助言などのサポートを受けることができます。

 

7.遺産分割調停申立書の書式、記載例

7-1.遺産分割調停申立書

遺産分割調停申立書の記載例です。以下の書式は、申立人1名、相手方1名のケースの参考例となります。裁判所のHPにも記載例や書式がありますので、参考にするとよいでしょう。

https://www.isan.info/admin/wp-admin/post.php?post=2824&action=edit

 

遺産分割調停申立書

 

平成○年○月○日

名古屋家庭裁判所 御中

申立人 中部 太郎  ㊞

 

(当事者の表示)

本    籍  名古屋市中村区名駅三丁目○○番地

住    所  〒4500002

        名古屋市中村区名駅三丁目○番○号

申立人  中部 太郎(昭和○年○月○日生)

 

本    籍  名古屋市中村区名駅三丁目○○番地

住    所  〒4500002

        名古屋市中村区名駅三丁目○番○号

相手方  中部 花子(昭和○年○月○日生)

 

(被相続人の表示)

本    籍  名古屋市中村区名駅三丁目○○番地

最後の住所  〒4500002

        名古屋市中村区名駅三丁目○番○号

被相続人  中部 次郎(平成○年○月○日死亡)

 

申立ての趣旨

 被相続人の遺産の分割の調停を求める。

 

申立ての理由

 被相続人の遺産は別紙遺産目録記載のとおりである。共同相続人間で遺産分割の方法が決まらないため、遺産分割の調停を求める。

 

添付書類

1  申立書副本             1通

2  甲号証写し            各1通

3  除籍謄本              ○通

4  改製原戸籍謄本           ○通

5  戸籍謄本              ○通

6  住民票の除票            1通

7  住民票               ○通

 

遺産目録

別紙遺産目録記載のとおりである。

7-2.遺産目録

遺産目録の記載例です。遺産の種類ごとに、一覧で記載します。

 

遺産目録

被相続人○○ 

(別紙)

A.不動産

番号

所 在        

地番/家屋番号

地目/種類・構造

地積/床面積()

持分

A1

名古屋市○○

○番○

宅地

○○.○○

1

A2

名古屋市○○

○番○

宅地

○○.○○

1/2

A3

名古屋市○○

○番○

宅地

○○.○○

1

A4

名古屋市○○

○番○

宅地

○○.○○

1

A5

名古屋市○○

○番○

宅地

○○.○○

1

.預貯金

番号

金融機関名

種類

口座番号・記号番号

B1

中部銀行

普通預金

0123456

B2

中部銀行

定期預金

00123456

 

 

 

 

.その他の有価証券

番号

種類

取扱金融機関等

金額(円)

C1

出資金(出資口数100口)

JA中部支店

1,000,000

 

.現金・その他の遺産

番号

種類・保険会社

保険証書記号番号等

金額(円)

D1

現金

1,000,000

D2

JA○○支店建物更生共済

1234

2,500,000

8.遺産分割調停でも話し合いがまとまらない場合

遺産分割調停でも話し合いがまとまらない場合は、遺産分割調停は終了(調停不成立)となりますが、自動的に遺産分割審判手続に移行し、家庭裁判所の審判によって遺産分割が行われます。

審判においては、裁判官が遺産に属する物又は権利の種類及び性質、その他一切の事情を考慮して、具体的にどのように遺産を分けるかについて審判することになります。

当事務所では、弁護士に継続的に相談しながら、自分で遺産分割調停を進めることができるアドバイスフォロープランがあります。最大3時間まで、電話での相談も可能です。遺産分割調停申立書の書き方、遺産分割調停の進め方など、弁護士に相談しながら自分で遺産調停を進めたい方は、ぜひご活用ください。

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