定義
遺贈とは、遺言者が、遺言によって遺産の全部または一部を他者に贈与(無償で譲渡)することを言います。
解説
遺贈は、相続の開始(遺言者の死亡)によって、効力が生じます(贈与された不動産や動産等の権利等が移転します)。
遺贈は、遺言者の、遺言という一方的な意思表示で行うことができます。遺贈を受ける者(受遺者)の同意や事前の了解は不要であるため、秘密裏に行うことが可能です。
受遺者が、遺言者から贈与された財産等を受け取りたくない場合、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができ、その効力は遺言者の死亡時にさかのぼり、最初から遺贈を受けていなかったこととされます(民法986条)。
なお、遺言者は自由に遺贈を行うことができますが、相続人の遺留分減殺請求権の行使によって、制限を受ける可能性があります。
参考条文
民法
(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。