定義
遺産分割審判とは、遺産分割に関する紛争の裁判所における紛争解決手続きです。
解説
遺産分割は、相続人全員の協議(遺産分割協議)によって、行うことができますが、相続人間の紛争等によって、協議が調わない場合があります。
このような場合、家庭裁判所に、遺産分割調停を申し立てることができます。
そして、遺産分割調停によっても話がまとまらない時には、遺産分割審判によって、家庭裁判所が、遺産分割の方法を決定します。
遺産分割調停が終了すると、調停の申立の際に審判の申立もあったものとされ、自動的に遺産分割審判手続きに移行されます。
遺産分割審判手続きでは、裁判官が各相続人の主張を聞き、裁判所の判断で判断材料となる資料を収集し、相続財産の種類や性質、各相続人の生活事情など一切の事情を考慮した上で、具体的かつ妥当な分割方法を定め、審判を下します。
審判には、判決と同様の効力があるので、相続人はその内容に従った遺産分割が強制されることになります。
審判の内容に不服がある場合には、2週間以内に家庭裁判所もしくは高等裁判所に不服を申し立てることができ、高等裁判所で争うことができます。
参考条文
民法
○第906条
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
○第907条
第1項 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
第2項 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。