定義
遺産分割協議とは、共有状態にある被相続人の相続財産について、個々の相続財産の権利者を確定させるため、相続人間で協議することをいいます。
解説
遺言書がなくて相続人が複数いる場合、遺産は、遺産分割まで相続人の共有になります。
この共有状態を解消し、具体的かつ終局的に遺産を分け合う話し合いのことを、遺産分割協議と呼んでいます。
遺産分割協議の方法について、法律上特に定めはありませんが、遺産分割は相続人全員で行う必要があります。
遺産分割協議が調った場合、実務上は、遺産分割協議書が作成されることが多いです。遺産分割協議書は、遺産分割協議の成立の証拠となるだけでなく、不動産や預貯金等の相続手続きにも必要となります。
相続人の間で紛争がある場合など、遺産分割協議が調わない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。
参考条文
民法
(遺産の分割の協議又は審判等)
第九百七条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
3 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。