定義
遺産の共有とは、相続人が複数存在する場合に、被相続人の死亡後、遺産分割までの間の、遺産の所有形態をいいます。
解説
相続は、被相続人(亡くなられた方)の死亡によって開始し、相続人は、被相続人の生前有していた一切の権利義務を承継します。
相続人が複数存在する場合、遺産分割によって、相続人間で、具体的な遺産の帰属等を決定しますが、相続開始から遺産分割までは、時間的なずれ・タイムラグが生じます。
このタイムラグの間(相続開始から遺産分割まで)、相続人が遺産を共有することになります(民法898条)。
これを、遺産の共有と言います。
[参考条文]
民法
○第882条
相続は、死亡によって開始する。
○第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
○第898条
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。