定義
遺言無効確認訴訟とは、遺言が有効か無効か、その遺言の効力について相続人間で争いがある場合に、裁判所に有効・無効の判断をしてもらう訴訟のことをいいます。
解説
遺言は、遺言者の死後、効力が生じます(民法985条)。
そのため、遺言者にその有効性を問うことができず、相続開始後に、相続人間で遺言の効力が争われることがあります。
この争いの解決方法として、遺言無効確認訴訟を提起し、裁判所に、判決でもって、遺言の有効性を判断してもらいます。
判決には強制力がありますから、裁判所が遺言が無効であると判断した場合には、その判断を前提に遺産分割をしなければなりません。
なお、遺言は、遺言者の死後に、効力が生じるものであるため、たとえ、遺言者が認知症や不治の病等で意思能力がない、意思能力の回復見込みがない場合等であっても、遺言者の生前に、遺言無効確認訴訟を行うことはできません。
[参考条文]
民法
○第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。