定義
氏とは、民法上使用されている姓・名字のことであり、氏の変更は、その氏が変わること、変えることをいいます。
解説
民法では、婚姻や養子縁組、離婚や離縁など、身分関係の変更に伴い、氏が変更する場合があることを規定しています。
例えば、婚姻の際、夫又は妻いずれかの氏を用いなければなりません(夫婦同姓)。
また、離婚によって、婚姻の際に氏を改めた者は以前の氏に戻ることになります。
婚姻や離婚以外にも、養子縁組や離縁、養子縁組の取消しの場合にも、それぞれ、同様の規定があります。
また、配偶者が死亡した場合に、他方の配偶者は、届出によって前の氏に服することを認めています。
このほか、戸籍法においても、やむを得ない事情がある場合に、家庭裁判所の許可を得て、氏を変更することを認めています。氏の変更許可申立は、離婚の際に、子の氏の変更などで多く活用されています。
参考条文
民法
○第750条
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する
○第767条
第1項 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
第2項 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。
戸籍法
○第107条
第1項 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。