定義
遺言執行者とは、遺言者(亡くなった人)の遺言内容を具体的に実現する行為を行う者のことをいいます。
解説
遺言は、遺言者が死亡した後はじめてその効力が生じるため、遺言者自身は自ら遺言の内容を実現することができません。そのため、遺言者は、遺言によって、遺言の内容を実現するための担当者である遺言執行者を選任することができます。
遺言執行者は、相続人の代理人として相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権限と責任があります。具体的には、遺産の収集、財産目録の作成、財産の管理処分、財産の分配等に必要な諸手続を行います(民法1011条、1012条)。
このような遺言執行者がいない場合、利害関係人の請求により、家庭裁判所が遺言執行者を選任します(民法1010条)。
参考条文
民法
○第1006条
遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
○第1010条
遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。
○第1012条
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。